【 映像クリエイター : 佐川 正弘 】Premiere Proでの活用法
エディター / カラリスト
2006年に大手ポスプロでキャリアをスタート。
音楽ライブ作品を中心に、バラエティ・ドラマ・ドキュメンタリー・MV・VP・映画等幅広く活躍中。
2018年に独立。様々な作品に携わりながら、東京・赤坂で小規模ポスプロを運営。イベント用映像などの制作を担当し、また映像系イベントにも多数登壇。
Orbital2をAdobe Premiere Proで使い倒している佐川さんとコラボしました!
各方位
ジョグ:1フレームの前後させる
クリップボリューム:音声ボリュームの調整
シャトル:JKL操作、再生を早くしたり戻したりするやつ
スリップ:クリップの使うポイントを横にずらす
編集点を移動:カット点の移動
トリム:編集でトリムする場所の移動
取り消し/やり直し:そのまま
シーケンスズーム:タイムラインを寄ったり引いたりする
各々必要部分を解説していきます。
シーケンスズームについて
Premiere上のズームをする際、右下のバーをスライドさせて拡大と縮小をされてる方は Orbital2 をすぐ買ったほうが良いですw
シーケンスズームにスイッチしてホイール回すだけでTL軸への拡大と縮小が簡単にできてしまうのでとても便利です。
これはAeでも使える手法なのでオススメです!
編集点を移動
クリップのカットごとに移動をさせるツールです。
下に押した状態でクリックすると最も近い編集ポイントをロールとして選ぶように組み込むようにしています。
Orbital2のキーボードローテーション機能を使って編集点の移動ボタンを押した際に上記のコマンドが繰り返されるように組みことが出来ます。
1回目はY、2回目~5回目はUに設定しています。
6回押すと1回目のYに戻ります。
これで編集点を指定してトリムでホイールさせることで前後のクリップのインとアウトをホイール操作で調整すことが出来ます。
スリップ
カット動画の中は変わってないけど、INとOUTを変えたい時に使います。
カットしてもう少しINを早くしたり遅くしたりしたい時にクリップを選んでホイールを回すことでカット尺は変えずに編集ができます。
クリップボリューム
クリップボリュームを選んで再生しながらでも停止してるときもホイールを回ることで音を微調整出来ます。
ポップアップとスイッチで色が別になっている部分は
ポップアップ:複数の機能が別窓で出てきて選択できる状態
スイッチ:押すことでそのまま実行する状態
佐川さんがショートカットをとても使うので全てのポップアップにショートカットを組み込んでいます。
コピペの系統ならこんな感じです。
ウィンドウパネル
現場や編集環境によって使わないパネルがあったりするので、それ用に割当を決めることでウインドウのパネル形式をワンクリックで変更することが出来ます。
キーボードに組んでるショートカットを極力Orbital2に入れ込みました。
編集の基本
素材のIN点、OUT点を決めて素材のIN点、OUT点を決める三点編集は編集の基本だと考えており、それを無くすのは難しいというのが佐川さんの考え。
IN点を入れて切った後に飛び、そこから色々出来る言わば起点になる場所だと思うのでスイッチとしてINとOUTを入れています。
ダストマン、白戸さん、佐川さんの共通で抱く最初の認識はコレでした。
ただ、使っていけば使っていくほど、Orbital2の方が便利だと気付くようになりますw
初心者でマウスで移動させたりしてる人などはOrbital2を導入することで編集の新しい扉が開く可能性を感じました。
斜めと十字の操作ミスが最初こそあったものの慣れてしまえば超時短になるのでとても使い勝手がいいです。
今更だけどマクロ機能って何のことなのか
ショートカットなどではなく複数の動作を登録しておき、それをワンクリックで完結させるコマンド。
この赤マーカーで例を解説します。(赤の理由は修正点マーカーとして分かりやすい為だそうです)
Premiereはマーカーを打つ際に色を指定出来ますが一回では選べず最初は緑のマーカーで打たれると思います。
佐川さんはマーカーを打った後にmを押し、元からAlt+2で赤マーカーを打つようにショートカットを組んでいますが、本来は
「mを押しマーカーを打ち、もう一度mを開きマーカーパネルを開いた後、マウスでマーカー色を選択してOKを押す」
と言う作業になります。これ結構めんどうですよね?
だったらマクロで一連の流れを組んだほうが早い!
と言う理由でマクロ機能は上級者ほど使う物じゃないかと感じました。
何手か必要なキーボード作業を組み込むことでワンクリックで解決!
とても便利ですw
アイデアと使い手次第でいくらでも時短が出来てしまう無限の可能性
それがマクロ機能です
注意点
動画で話している100連打enterのマクロですが、現状のOrbital2では連打マクロを組むことが出来ません。
ただ、同じ役割の2つのキーボードは別々に認識するので、enterがテンキー付きの場合は連打エンターのマクロを組むことが出来ます。
※荒業
マクロ化しないで編集をキーボードで行うとこれだけのキー処理を行いますが一度組んでしまえば一撃でやってくれます!w
Q. もっとマクロを組めないのか
A. 出来ます。
(佐川さん曰く)先程の5フレームだけ進んでディゾルブをかけフェードインは慣れてしまえばマクロ化とほぼ同じスピードで打ち込むことが出来ます。
だから、もっと越えていきたいと思った時に組んだマクロがこちらです。
1:クリップの選択を解除
2:タイムラインを5fps後ろに設定
3:IN/OUT点を設定
4:ソースに置いてるテロップを入れる
5:編集点を頭に戻す
6:編集点を掴む
7:フェードインをかける
8:1fps進む
9:テロップクリップを選ぶ
10:エフェクトコントロールを開く
11:Tabで位置のY座標を990.0に設定
12:Tabを4回押してアンカーポイントのアウト点を960.0にする
13:シーケンスパネルに戻る
14:選択を解除
15:クリップの自動選択をOFFに戻す
...これ全部一撃で組めるんだぜ? Orbital2 すごくない?
※現仕様だと途中でマクロ組み入力が途中で失敗した場合、最初からなので気をつけて下さい。
簡単な手数ならキーボードの方が速いかもしれません。
しかし、こういった手数がどうしても多くなる複雑だけど何度も行う可能性がある処理はマクロ化する事で全部ワンプッシュで完結することが出来ます。
めちゃ便利。
これは単純にキーをアサインするだけの設定です。
例えば
「左回転でINポイント」
「右回転でOUTポイント」
「ボタン押しでIN/OUT間を削除」
と言う感じにすると再生しながら編集ができたりします。
=究極な所、キーボード使わずにこれ一台でカット編集が出来てしまう