【 漫画家 : 薫人 】Orbital2という未知のインターフェイス
漫画家。
「ジャンプルーキー!」にて「怪獣×長期戦」や「じつ現実少女」という漫画を掲載。
他にも「ジャンプ+(プラス)」にてフルダイブVRゲームが大人気となった近未来が舞台となる「二条リンネは不敵に笑う」を掲載。
駆け出しの漫画家をやっています。普段はCLIPSTUDIOを使用して作画を行っています。
最近はLive2DとFaceRigを使って、友人のバ美肉(※)用ボディを作ったりもしています。
※バ美肉 : 美少女キャラクターモデルをVR上で動かしなりきること
板タブ派なので左手デバイスは使わずに基本的にはキーボードでショートカットを入力しています。
初めて使った時の感想を素直に言うと『キーボードの方が早いな』と思いました。
いえ、「いきなり全否定かよ」と、誤解しないでください。(笑) そもそも左手デバイスとは何か?
それは『キーボードの代用品』だと思います。まず大抵のショートカットキーは常にキーボードに左手を添えることができれば入力ができますよね。板タブを買うのが精一杯な貧乏漫画家にとって「100以上のキー」と「Shift, Ctrl, Alt」を組み合わせることで、全てのショートカットを”瞬時”に文字通り片手でこなす事ができるじゃないですか。
ただ、液タブを使う時はそうはいかないんですよ!
まず常時液晶を見る関係上、液タブは傾斜をつける必要があるし、なおかつ場所を取ります。
よっぽど配置に工夫を凝らさないと左手を常時キーボードに置くのは難しいんです。だから、左手デバイスとは液タブを使いこなすプロフェッショナルの為の「キーボードの代用品」だと思うんです。
つまり、板タブに慣れ親しんだ貧乏人にとって初めて使う左手デバイスとはどんなに優れていようが「慣れないインターフェイス」に過ぎないと思います。左手デバイス「Orbital2」を「使い慣れた場合」、キーボードと比較してどうだったのか?
これから語らせていただきたいと思います。
まずキーボードと比較してこの「Orbital2」の特筆すべき点は、中央にそびえるスティック状のインターフェイス、「オービタルエンジン」かと思います。『回転』を担うショートカットはキーボードでも入力ができますが、「Orbital2」のオービタルエンジンは実際にインターフェイスを回転させる関係上、よりアナログに近い直感的な操作で入力をすることができるんです。
画面の回転は、これまでペンタブのラジアルホイール等を割り当ててきたのですが、操作感が繊細過ぎてどうにもピンと来ませんでした。自分にとってアナログ的感覚でグリグリ画面を回せるオービタルエンジンはしっくりきます。
作画する際に『画面をよく回転させるタイプの人間』にとってはかなりありがたいインターフェイスです。
おそらく「Orbital2」は今までに存在しなかった操作感を実現した入力デバイスです。
ということは万人にとって初めは「未知のインターフェイス」と感じるでしょう。
しかし、「Orbital2」にはCLIPSTUDIOをはじめ、複数のアプリケーションの基本的なショートカットが最初から割り当てられています。
まず最初はよく使うショートカットを(自分の場合は「Ctrl+Z」から)優先して割り当てて慣らせばいいかなと思います。
個人差はあると思いますが、自分の場合は一日である程度の操作感を掴むことができました。
…あ、あと本体の底に両面テープを付けて固定しておくと入力ミスが防げて便利です。
実際に液タブ環境下でも使用したのですが、先述した通りスペースを取る液タブでは省スペースな「Orbital2」は重宝します。
それと自分と同様に漫画制作を行う方には「Orbital2」の回転機能を強くオススメしたいです。塗りよりも線が重視されがちな漫画作画においては、自身にとって線が引きやすい画面角度の調整は重要です。アナログ作画で原稿をグルグル回すタイプの作家さんにはぜひ一度体験していただきたいです。
▼ 薫人さんのオリジナルプロファイル
「CLIP STUDIO」にて、お使いいただけるプロファイルをご提供していただきました。
Windowsをお使いの方は
こちら
※クリエイターの方からいただいたプロファイルのみを配布しているため、OSやキーボード配列によってはプロファイル配布がないものもあります。
ご了承ください。