【 イラストレーター : サイトー 】
ペンのひと振りで描画色が切り替わる!?
岐阜県在住のイラストレーター。
ILLUSTRATION 2019に掲載される。温泉娘「洞爺湖のんの」キャラクターデザイン、「詩葉さんは別ノ詩を詠みはじめる」、「満月の夜、君とーー」挿絵担当など。
学生少女創作やポートレートイラストを中心に制作を行っています。
前者はどこか非日常的な、後者は日常のワンシーンを切り取ったかのような雰囲気を課題にしています。
日常をテーマにしてイラストを描くときはモチーフに対する共感(実物が確かにこうであるなど)を持って欲しいと描いていますが、非日常をテーマとするときは自分の中の世界観を知って欲しいと思って描いています。
日常イラストでモチーフをよく観察して「正しく」描き、非日常を描く際にそうして培った技術を還元しています。
私が描く「非日常」はSFやファンタジーといったものではなく、現代をモチーフにしています。なので日々過ごしている場所はもちろん、隣町から県外まで様々な資料を収集しています。
また、服飾に関してもまだまだ知識不足ですので日頃の練習やSNSなどで勉強しています。
イラストを描き始めたのは大学生のころで、当時読んでいた版権二次創作小説がきっかけとなりました。実はイラスト(というより美術)は小さい頃から大の苦手でした。実姉が同じくイラストを描いていたのでその影響もあります。
女性の顔とも言える髪の毛にこだわっています。髪の毛の流れや透け感でキャラクターの心情やイラスト全体の雰囲気が決まると思っていますので、一番力を入れて、かつ悩みながら描くところです。
また、構図によって脚が入る場合には高確率でタイツにしています。タイツに関しては実物の質感というより、実際は透けないんだけど、ここが透けてるといいよね!と「嘘」を織り交ぜた肌の透け感に拘っています。
ほぼ毎日欠かさずiPadを用いてクロッキーを行っています。これは、服飾やポーズ練習の目的以外に、日常の自然動作として絵を描く練習でもあります。約2年前からはじめ、現在4000体以上を描きました。
他にはSNSでみかけて好きだな、と思ったイラストの「好き」なポイントを考え、模写しています。
①iPad(procreate)を用いた粗ラフを作成
②ラフのブラッシュアップ・ラフ彩色
③PC・iPadでの線画作業
④PC・iPadでの下塗り・本塗り作業
⑤PCでの背景・仕上げ作業
⑥PC・iPad・スマートフォンでの仕上がり確認
⑦完成
制服や私服を描くのがメインなので、普段描かない男性イラストやファンタジー、未来的なデザインにチャレンジしてみたいです。
また、1人称視点の人物メインのイラストが多いため、視点を3人称に変えたイラストにもチャレンジしてみたいです。
メインツールはiMac (Retina 5K, 27-inch, 2017)+Wacom 13HD+Orbital2。使用ソフトはCLIP STUDIO PAINT PRO。
サブツールはiPadPro11インチ(2018)64GB+Apple Pencil第二世代+8BitDo。使用ソフトはCLIP STUDIO PAINT EX for iPad+Procreateです。
8BitDoは無線接続で手の中にすっぽり収まる非常に小さいサイズ且つ設置せずに使用デバイスなので、出先でiPadを用いる際に使っています。iPadは基本的に膝の上において描くスタイルを取っているのと、あまり机に置く状況が日常的にないこともありiPad導入時から設置タイプのデバイスは用いていません。
Procreateはタブレット専用イラストアプリなので、UIが非常にスッキリしておりキャンバスが広くペンの反応もものすごく良いです。なので、日々のちょっとクロッキーを含めた絵の練習や線の勢いを大事にしたいラフ作成や落書きに用いています。
CLIP STUDIOはPCとおなじUI設定にしているため、PCでの清書作業を出先で引き続き作業するときに用いています。また、PC版はPROですがfor iPad版はEXなので、PCで使えない機能をiPadで使ったりもします。
左手デバイスは長らく使用していた左手デバイスがありました。キーに加え4方向スティックが配置されており、多用するツールは十分に割り振れました。ただ、私は手が小さいので端の方のキーはショートカットを割り振ったはいいものの、実際に使用する機会は少なかったです。また、ツールサイズの変更やキャンバスの拡大縮小操作がダイヤル操作的にできなかったため、ボタン連打したりするのが少し面倒でした。
最初に触ってに思ったのがすっぽり手に収まるサイズで、手が小さい自分でも簡単に操作できるということでした。
省スペースなのも嬉しいです。
スティックタイプのデバイスは「倒す」動作で使用していたため、「回転」動作が加わったスティックは、ツールサイズやキャンバスの拡大縮小をどう割り振るのかがわからず戸惑っていました。
Flat Ringは、1箇所につき1ショートカットかと思っていましたが、ポップアップタイプを用いることで最大8個も割り振ることができたため、普段あまり使わないようなツールや動作も割り振ることができました。
Glow Ringはかなり自由に発色を選択することができ、非常に楽しいです。
使い慣れてくるとOrbital Engineモードで割り振ったサイズ系のショートカットをサクサクつかえるため、以前に比べ作業効率が上がったと感じました。しかし、スティックの「引く」動作を使ったショートカットは動作そのものが「倒す」動作にくらべてやりづらいこともあり、まだすべてに割振れておらず、ショートカット自体を見直す必要があるのかなと思います。
Flat Ringの操作はフリック入力慣れてくると多くのツールを登録していても呼び出すのが一瞬になりました。一方で以前と比べ割り振ったショートカット数が増えたため、たまにこのショートカットどこだったかなとなることもあります。
※ CLIP STUDIOでのショートカットのカスタマイズ:
「ファイル」メニュー > 「ショートカットキー設定」を選択すると、「ショートカットキー設定」ダイアログが開きますので、そこからメニュー項目などのショートカットキーの編集などができます。
私の場合塗り作業において、ツールサイズの変更を多用するため、ペイントソフトのウィンドウからいちいちサイズを選択することなく、画面上でサイズを確認しながらダイヤル式で調整できキャンバス操作も同じ感覚でできるOrbital Engineモードにおけるスティック操作が一番使い勝手が良いと感じました。
Flat Ringはボタンを押すだけでショートカット起動する「スイッチ」方式と、ボタンを押してからさらにフリックすることで8のショートカットを起動できる「ポップアップ」モードがあります。ショートカットの中でも使用頻度の高い掌ツール、左右反転、undo /redoなどは「スイッチ」モードで割り振り、ペン、消しゴム、筆ツールなどは「ポップアップ」モードで一か所にまとめて割り振ると使いやすいです。
スティックについては想像以上に動作が軽いので、環境設定でJoystick感度やスイッチ感度を調整する他、「スライド無効」をonにすると予期しない方向への操作が防げるため推奨します。
ジョイスティック押し込みでキャンバスの回転や拡大がリセットされるのが、キャンバス操作を回転・反転を頻繁にやったあとに一気に復帰できるのが便利でした。
また、キーローテーションは描画色のメイン・サブ・透明の切り替えを割り振れると良いかなと思います。特に透明との切り替えは塗り作業のかなり重要な部分で、現在はフリックでの切り替えになっていますが起動手順が多くなっており、ローテーションが組めるとスムーズに作業ができると思います。
実務的な機能的には満足しております。かっこよく光る機能があるので、簡単なSEがついたりするとさらに男の子心をくすぐる近未来的デバイスらしくなるかなーと。
Flat Ringの凹凸強調アクセサリがあると個人的には非常に嬉しいです。
あとは、小サイズ省スペースであることから、iPadにおいても同様に使用できたらいいなと思います。
左手デバイスはあるのとないのとで作業効率に非常に大きな差が出ると、自分自身の経験から思います。なくてもキーボードを用いて作業は可能ですが、手元を見てキーを確認したり、割振れるショートカットに限りがあるとそれだけ作業効率は落ちてしまいます。
ショートカット構成を作成し、割り振るキーを考えるのは決して簡単ではありませんが、後々それに見合った効果は得られます。また、Orbital2はそうしたプロファイルがわからなくても、他のクリエイターさんが作成したプロファイルをDLすることができます。そこから自分にあったようにカスタマイズができるので、非常に自由度が高いです。
今、左手デバイスは様々な選択肢があり、テンキータイプのものからゲームのコントローラーを用いる方もいらっしゃいます。その中でも、Orbital2はイラストレーターの左手デバイスとして使用する際の動作方法や割り当て数において「足りない」と感じるところがほぼないデバイスとなっています。初めて左手デバイスを導入するという方はもちろん、現在ほかの左手デバイスを使用している人にも一度使用してみてもらいたいデバイスです。
▼ サイトーさんのオリジナルプロファイル
「CLIP STUDIO」にて、お使いいただけるプロファイルをご提供していただきました!
Macをお使いの方は
こちら
※クリエイターの方からいただいたプロファイルのみを配布しているため、OSやキーボード配列によってはプロファイル配布がないものもあります。
ご了承ください。